イージスアショアの性能や射程!期待される効果!
最近の北朝鮮情勢の緊迫の中、防衛省は、弾道ミサイル迎撃能力向上のため、来年度予算にて新たに、地上配備型イージスシステム「イージス・アショア」を導入する方針を決めました。
聞きなれない名称ですが、いったいこのイージス・アショアとは何でしょうか?その性能や射程はどのようなものなのでしょうか?また、これが導入されることでどのような効果が期待されるのでしょうか?この記事では、これらに注目していきたいと思います。
イージス・アショアとは?
イージス・アショアの「イージス」とは、イージス艦でご存知の方が多いように、高性能レーダーを使用したミサイル防衛のシステムです。イージス「艦」ですから、これは海上配備型のシステムになりますね。
イージス・アショアはそれとは異なり、地上に上がったイージス、ということになります。アショア(Ashore)が「浜に、陸上に」という意味を持っていますから、そのまんまですね。
外観はこんな感じです。
艦橋の上の部分をそのまま陸に揚げました、って感じの外観ですね。そういう意味で「アショア」なのです。
イージス・アショアはイージス艦と比べて、次のようなメリットがあります。
1.燃料費が不要
2.人員をあまり割かなくて良い
3.メンテナンスがイージス艦よりは楽
イージス艦はとても巨大ですが、上の写真を見てわかる通り、それに比べたらイージス・アショアは小さいです。その小ささによって、上記のようなメリットが生じるというわけですね。
また、その値段にも大きな差があるようです。一説によればイージス艦は1400~1500億円するのに対し、イージス・アショアは700~800億円。イージス艦の値段の半分程度で済みます。これは防衛費の節約にもなるでしょう。
しかし当然デメリットもあります。それは、イージス艦と違って「動けない」ということです。動けないということは、敵の攻撃を受けやすい、ということでもあります。そのあたりは、すでに配備済みのPAC3や、イージス・アショア本体でカバーしていくこととなるでしょう。
イージス・アショア導入で期待される効果
最新型のイージス・アショアはブロック2Aと呼ばれ、その射程はおよそ2000kmです。では、その射程のイージス・アショアを日本に配備すると、どの程度の範囲をカバーできるのでしょうか。
試しに京都・舞鶴にイージス・アショアを配備すると、この程度の範囲をカバーできます。
見事に北朝鮮をスッポリ覆っていますね。弾道ミサイル迎撃には十分です。これは防衛能力の向上が期待できるでしょう。
問題は本当に迎撃できるかどうか、ですが、すでにハワイ・カウアイ島沖にて2015年12月9日、イージス・アショアによる初のミサイル迎撃実験が行われ、成功を収めています。
また、迎撃において不安になるのが、「迎撃した弾道ミサイルの破片が地表に落ちてこないか?」という点です。ですが、この点についてもおそらく心配はいらないでしょう。
なぜなら、イージス・アショアは弾道ミサイルの迎撃を、ミサイルが上がる一番高い高度の周辺で行うため、破片落下による被害は最小限に抑えることができるのです。この点についてもイージス・アショアは評価できる迎撃システムでしょう。
まとめ
1.イージス・アショアとは、イージス艦の地上バージョン
2.値段や維持費が安いというメリット、攻撃を受けやすいというデメリットを持つ
3.射程は北朝鮮の弾道ミサイル迎撃には十分。高高度で迎撃するため、破片落下による被害も最小限。
今日の記事はここまでです。次もよろしくお願いしま~す♪